雪降積む

 本会議場での一般質問の質疑記録を事務局が後日メールで添付送信してくれる。そこから質疑、答弁を抜粋し900字程度に自身でまとめるのだ。関連する写真、資料などもあれば一緒に掲載してくれるのである。

 3月の一般質問は2件行い、その一つが観光行政にコンシェルジュを、と言う内容であった。主旨としては、行政の縦割り業務では観光産業の諸課題、問題などの解決、対応が進まないので、観光課職員の仕事を縦割りに縛らずに新聞社の遊軍記者的な業務にあたらせては、という投げかけなのであった。マッ、答弁は大体想像した領域であった。

 その質問の際に、写真にある報告書を示して問いかけたのである。これは民間組織が発注したものではなく、倶知安町として発注しているのである。しかし、残念にも町長も初めて知る、当然見た事はない。と言う事は役場で保存されていないのである。昭和55年の報告書なのだ。

 報告書がまとめとして書かれたその内容は実に素晴らしい文章なのだ。長くなるから割愛するが、私が見て来たこの手の報告書の中で最も優れ、令和3年の今であっても、その報告内容はどの報告書よりもしっかりとした提案がされていると感じるのだ。

 そして、挿絵と共に一つの詩を紹介している。その詩を紹介します。

 太郎を眠らせ太郎の家の屋根に雪降積む 次郎を眠らせ次郎の家の屋根に雪降積む   三好 達治さなの作品

 この詩からどんな情景を想像しますか・・・ 本町の未来の観光産業の在り方を提案した報告書作成を、担当されたの方々、どんな方々だったのか、と一編の詩同様に想像します。本当に良い時代だっのかな、と。