偲ぶ

 北海道庁の水産畑から本町経済界からの要請で町長に就任いただき、3期12年町政のかじ取りをしてくださった。豪放磊落の面と実に細かな気配り、両方を持ち合わせた魅力ある男だった。

 スキーが大好きで仕事の許す限り日曜日には滑りに来られ、滑り終えてから私が勤務していたホテルの温水プールでクールダウンしてから帰るのが定番。帰る前には顔出してくれ「変わらないか」と声かけてくれた。町長時代には町長室の壁には、当時2社あったひらふスキー場のリフト会社から輸送人員を取り寄せ、自身が数字記入した大きな一覧が毎シーズン貼られていた。

 道庁時代の後輩が、本町の後志支庁の支庁長として赴任し後志支庁としては初めての女性支庁長。K支庁長も後志は初めての勤務地であり、知縁もないと言うことで先輩の伊藤さんが、本町の各界のユニークな方々に声かけされ、「朝食会」を立ち上げた。勤務終了後は夫々何かと用向きが多いので、朝一番なら集合できるだろう、と言うことで7時から集合しての朝食。月一回の集まりで会場は持ち回り。食事しながら毎回1人が、その業界ニュースを20分程度発表する、と言う楽しい会で、1月には私の提案で新年会開催。支庁長が他様の目もあるから、と公宅を会場にしてくれての飲み会は、本当に楽しいひと時だった。この朝食会にお誘いの電話「お~、俺だ。アンタ、朝食会に参加してくれないか、スキー場の話ししてくれや」町長から、お~俺だで始まる電話を断れる訳もない 笑

 

 町長退任する少し前位だったと思う、何かの会合での二次会で「佐藤さん、自分の本音をノートに書き記しておくといいぞ。人との付き合いで本音と建て前あるのは当たり前だから、あの野郎覚えておけ、と思うヤツの事も本音で書いておくと気持ちの整理もつくから」そんな話しを真顔で言われたのを今日改め思いだした。

 本音ノートは作ってはいない。でも、本音で伊藤町長、ご縁いただき本当にありがとうございました、と言えますよ。昨日、今日と倶知安らしい雪が降っています。弟さんの便りが伊藤さんの思いと共に雪を運んでくれたのでしょう。