1日、1場面で2度涙

 夕食後、飢餓海峡をDVDにダビングする前に途中から見たこともあり、最初から見始めた箇所までの予定だったが、結局はラストまで見る。で、なんとも涙腺ダダモレ状態になったのが、伴淳さんの役どころ函館警察署の刑事 弓坂刑事が高倉健演じる味村刑事に請われ、事件解決に協力するために東舞鶴署に同行する準備の場面。

 奥さんと二人の息子。長男は親父(伴淳)を非難する。家族を顧みないで捜査に没頭し経済的にも大きな負担をかけている。もう10年も前の事件をなんで今さら自前で行かなければならないか、と。お母さんは長男に言うのです。幾らかでもいいから、お金を貸して、と。伴淳さんは一言も金の工面には触れずに、健さんと玄関に向かい、次男坊が靴を出しがてら見送る。次男坊が居間に戻ると、長男がポツリと「親父はハリキッテ行ったか?」次男坊、あっあ~と返事すると、長男坊は、背広のポケットから財布取り出し、数枚の札を取り出し、「親父にもって行ってやれ」と次男坊に差し出すのだ・・泣けますな。口では非難するも、親父の背中見て育っているのです。伴淳の執念とも言える思いがキチント伝わっているのでありますな。

 家族の真の姿がそこにあるのです。夕食後、DVDダビングの時にまたこの場面で涙・・初めてだわ、1日に同じ場面で2度涙したのは。多分、何度見ても涙するんだろうな。ラストシーンは邦画の中でも本当に印象に残り、見た人夫々に感じる違いがあるのではないかな、と暫し余韻に浸ったのであります。